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一般社団法人 インクルーシブコミュニティ協会

発達障害基礎知識

「発達障害」という用語は近年になりよく知られるようになりました。
認知度が上がった反面、言葉だけが一人歩きしているというのも事実です。

発達障害に関する誤解の一つに「親の育て方の問題」「本人の性格のせい」というものがあります。
これまでは発達障害が起こる原因がよくわからなかったこともあり、このような誤解が生じていたようです。
しかし近年の研究により、発達障害は先天的な脳機能の偏りによって生じ、成長していく過程で様々な症状や特性が現れることによって不適応の状態になることがわかってきました。また、精神的な問題だけでなく認知に何らかの偏りがあり、生活面や学習面に問題が生じることも明らかになっています。

つまり、「親の育て方や本人の性格の問題では決してない」ということです。

発達障害は大きく分けて、 「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠如・多動症(ADHD)」「学習障害」の3つに分けられます。

(1)自閉スペクトラム症(ASD)

ASDはかつて様々な名称で呼ばれていました。「アスペルガー症候群」がその一つです。その他にも「自閉症」「自閉性障害」「広汎性発達障害」などと呼ばれていましたが、次第にこれらをまとめて一つの連続体(スペクトラム)と捉えられるようになり、自閉スペクトラム症という言葉が使われるようになりました。
ASDには3つの大きな特徴があります。その特徴とは「コミュニケーションの障害」「社会的なやりとりの障害」「こだわり行動」です。具体的には、社会的な対人関係を築くことが難しい、他人とコミュニケーションがとりにくい、活動や興味の範囲が限局的であり、こだわりが強いなどが挙げられます。

(2)注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDには「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特性があり、主に行動面の問題を引き起こします。
落ち着きがない、よく考えずに衝動的に行動する、注意を一つのことに向け続けることができない、一つのことに集中すると他のことに意識を向けることができない、などの症状を示します。

(3)学習障害

学習障害は先に述べたように、「学習に関する特異的発達障害」と呼ばれることがあります。
小学校入学後に顕在化しやすいのが特徴です。
知能全般が劣っていると誤解されがちですが、これは誤りです。全般的な知能は平均的であり、なおかつ本人の学習意欲も十分にあります。それにも関わらず、「読み書き」や「算数」など、“部分的”な学習領域で困難さが見受けられるのが学習障害の特徴です。

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